脇腹が痛い…考えられる病気を部位別にチェックしてみよう

急に運動をしたときの脇腹の痛みは、経験がある方も多いと思います。しかし、特に運動をしたわけではないのに脇腹が痛いという方は、もしかしたら何かの病気かもしれません。

今回は、脇腹が痛む原因となる病気を部位ごとに紹介します。

監修

博士（医学）
総合内科専門医
消化器病専門医

痛みの部位と原因となる病気

「脇腹が痛い」といっても、具体的に痛む場所は人それぞれ違います。痛む場所によって原因と考えられる病気も異なるため、今回は痛みの部位ごとに考えられる病気を探りましょう。

また、「お腹が痛い…腹痛の3タイプと痛みの部位ごとの対処法」といった記事もあります。部位の特定が難しい場合には、こちらの記事も合わせて読んでいただけたらと思います。

症状	考えられる病気・病状
肋骨に沿って激しい痛みが走る。脊椎の炎症、大動脈瘤、肺炎、肺がんなどの初期症状として現れることがある。	肋間神経痛
激しい運動が原因	横隔膜の痙攣
激しい運動が原因	脾臓の収縮
食後の胸焼け、呑酸、飲み込みにくい、げっぷが出る、咳や喘息の症状がある	胃食道逆流症（逆流性食道炎も含む）
食後の胸焼け	食道裂孔ヘルニア

胸の下のラインからおへそまでの範囲で痛みがある場合、考えられる病気です。

左右どちらかに痛みが寄ることの少ないものや、左右どちらも痛むことがあるものです。

症状	考えられる病気・病状
吐き気、胸焼け、食欲不振、吐血、貧血	胃潰瘍
体重減少、食欲不振、吐き気	胃がん
顔色が悪くなる、手足が冷たくなる、便意を催す、呼吸困難でぜいぜいする	心筋梗塞

上部に感じる痛みでも、特に左に寄っていることが多いものを挙げました。

体の構造上、左側に痛みがある場合は胃・膵臓・心臓に異常がある場合が多いようです。

特に右側の脇腹に痛みが偏っているものを挙げました。

右側に痛みがある場合は、肝臓や胆のうに異常がある場合が多いといわれています。

症状	考えられる病気・病状
肌荒れ、疲労感、食欲低下、痔	慢性便秘
月経過多、強い月経痛、不正出血、足のしびれ	子宮筋腫
月経困難症、月経痛がひどくなる、腰痛、排尿時痛	子宮内膜症
下腹部の膨れ、腰痛	卵巣嚢腫
強い下腹部痛と腰痛、吐き気、イライラ感	月経困難症
腰痛、乳房の痛み、むくみ、頭痛、めまい、便秘、下痢、吐き気、イライラ感	月経前症候群（PMS）
発熱、強い下腹部痛、吐き気、嘔吐	骨盤腹膜炎
下腹部のしこり・膨満感、圧迫感、下腹部の鈍痛・激痛	卵巣がん

おへそから下の部分が痛む場合に疑われます。

下部の脇腹に痛みがある場合は、主に大腸などに異常があることが多くあります。

下部の痛みの中でも特に左側に寄っている場合が多い病気です。

特に右側下部に痛みが偏っている場合に考えられます。

症状	考えられる病気
痛みが横腹から下腹部にかけて起こる。肩甲骨の方向にその痛みが走ることがある。強い痛みの発作が起こることもあり、吐き気を伴う。	尿管結石
結石を伴いやすい。腰背部が痛むのが特徴	水腎症
発熱、悪寒、吐き気、腰背部の痛み	腎盂腎炎
吐き気、高血圧	腎梗塞
腹膜炎を併発すれば発熱、重症の場合は乏尿（尿が出なくなる）、暗赤色の発疹	急性膵炎
こりや張りのような重苦しさ、食欲不振、吐き気、下痢、食欲減少	慢性膵炎
黄疸、体重減少、消化不良	心筋梗塞

続いて、体の後ろの部分である背中や腰に痛みがある場合を紹介しました。背中や腰の方が痛い場合は、腎臓に異常がある場合が多くあります。

症状	考えられる病気
水疱瘡と同じウイルスでの感染、神経痛のような激しい痛み、赤くなりその上に米粒の半分くらいの水疱が集まる	帯状疱疹

腹部全般に出来る可能性があります。また、この病は、顔や脚などにもできることがあります。